やたら褒める人の心理とは?気持ち悪さを感じたときの距離の取り方を解説!

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やたら褒める人に違和感を覚えたことはありませんか?褒められるのは嬉しいはずなのに、なぜか素直に受け取れない。そんな気持ち悪さを感じるのは、あなただけではないのです。

過剰な褒め言葉の裏には、承認欲求や支配欲といった心理が隠れていることもあります。やたら褒める人の心理を知ることで、適切な距離の取り方が見えてくるはずです。

この記事では、褒めすぎる人の心理や、気持ち悪さを感じたときの具体的な対処法について詳しく解説していきます。

やたら褒める人の心理を知ると見え方が変わる

やたら褒める人には、いくつかの共通した心理パターンがあります。表面的には好意的に見えても、その奥にある本当の動機を理解すると、相手の行動が納得できるかもしれません。褒める側の心理を知ることで、不快感への対処もしやすくなるのです。

1. 承認欲求が強くて褒めることで自分を認めてほしい

やたらと褒めてくる人の中には、自分の存在価値を他人の反応でしか実感できないタイプがいます。このタイプは、相手を喜ばせたいのではなく、褒めている自分を良く見せたいという気持ちが先行しているのです。

「褒めてる自分」をアピールすることで、周囲から「優しい人」「気配りができる人」と思われたいという承認欲求が強いのかもしれません。つまり、あなたを肯定しているようでいて、その実「自分を好きになってほしい」というメッセージを押し付けているわけです。

このタイプは褒めることで相手から褒め返してもらいたいと思っていることも多く、見返りを求める傾向があります。そのため、的外れな褒め言葉やタイミングを問わない過剰な称賛になりやすく、受け取る側は「本当に私のことを見ているわけではない」と感じてしまうのです。

2. 好かれたいという思いが先行して空回りしている

相手と会話はしたいけれど、話題が見つからないため思い当たるところを片っ端から褒めて会話をつなごうとしている人もいます。褒めたところから会話が広がると思いきやそうもならないので、褒め続けて場をつないでいるのです。

このタイプは人間関係に自信がなく、過去の失敗から不安が大きくなっているケースが多いようです。「嫌われたくない」「好かれたい」という思いが先行しすぎて、結果的に空回りしているのかもしれません。

好意を持たれたいという気持ち自体は悪くないのですが、コミュニケーションスキルが不足しているため、人の良いところを見る観察力や、それを適切な言葉で伝える力が欠けているのです。だからこそ、具体性のない褒め言葉ばかりになってしまうのではないでしょうか。

3. コントロールしたいという下心が隠れている

何をしても「あなたは最高に素敵だね」「こんなに優しい人見たことない」とベタ褒めする人は、褒め方が大げさでハイテンションです。まるで「ここまで褒めてくれたんだから、何かお返しをしてくれるよね」と精神的な圧を与えてくるように感じることもあります。

有名な心理学者アドラーも、褒める行為は人を依存させるという点から問題があると指摘しています。過剰な褒め言葉を浴びせ続けることで、相手を自分の思い通りにコントロールしようとする支配欲や依存傾向が隠れている場合もあるのです。

過剰な賞賛の裏には、時として相手の攻撃性を隠すための手段であることも考えられます。表面上は好意的に見える言動の背後に、潜在的な敵意が潜んでいる可能性もゼロではありません。

4. 距離感がつかめずコミュニケーションが不器用なだけ

やたら褒める人の中には、単純にコミュニケーションが不器用で、距離感のつかみ方が分からないだけの人もいます。人の良いところを見る観察力や、それを適切な言葉で伝えるスキルが不足しているため、具体性に欠けた褒め言葉を安易に言いまくってしまうのです。

例えば、ヘアスタイルを変えてきた日にもかかわらず、前から持っていた有名ブランドのバッグを見て「カワイイ!」「これいいね!」と連発で褒められると、不信感を持ちますよね。褒める相手のことをよく見て言っているようには見えず、社交辞令にしか聞こえないからです。

このタイプは悪気があるわけではなく、ただコミュニケーションの取り方が分からないだけかもしれません。それでも受け取る側としては、相手が本当に自分を評価してくれているのか疑問に感じてしまうのです。

5. 自己肯定感が低くて相手の反応で安心したい

やたらと褒める人は、自分の価値を他人の評価に依存していることが多いです。他人を過剰に褒めることで、自分の評価を高めようとする傾向があります。その不安定な自己評価が垣間見えると、受け取る側は違和感を感じるのです。

自己肯定感が低い人ほど、相手の反応を見て安心したいという気持ちが強いのかもしれません。褒めることで相手が喜ぶ顔を見られれば、自分の存在価値を確認できると考えているのではないでしょうか。

ただし、このような心理で褒めてくる人は、相手のためではなく自分のために褒めているわけです。だからこそ、受け取る側は「何か裏があるのでは」と感じ取ってしまうのでしょう。

やたら褒める人の心理パターン:

  • 承認欲求が強く、自分を認めてほしい
  • 好かれたい気持ちが空回りしている
  • コントロール欲や支配欲が隠れている
  • コミュニケーションが不器用なだけ
  • 自己肯定感が低く、相手の反応で安心したい

やたら褒める人を気持ち悪いと感じてしまう理由とは?

本来なら嬉しいはずの褒め言葉が、なぜ不快感につながるのでしょうか。やたら褒める人に対して「気持ち悪い」と感じるのには、いくつかの心理的な理由があるのです。褒め方が過剰すぎたり、場面や内容が不自然だと、受け手は強い違和感を覚えます。

1. 具体性がなくて社交辞令にしか聞こえないから

「カワイイ」「いいね」「すごい」など、具体性に欠けた褒め言葉ばかり言ってくるタイプの人は、褒めている相手のことをよく見て言っているようには見えません。内容が薄い褒め言葉は誠意が感じられず、ただの社交辞令や挨拶の延長のように聞こえてしまうのです。

「とりあえず褒めておけばいい」という態度が透けて見えると、相手はその言葉の真意を疑い、信頼感を大きく損ないます。特に、その褒め方が繰り返される場合、受け手は「本当に自分を評価してくれているのか」と感じやすくなるのです。

会話のたびに同じような褒め言葉を聞かされると、「この人は誰にでも同じことを言っているのでは」と思ってしまいますよね。具体的にどこが良かったのかを伝えてくれないと、心からの言葉には聞こえないものです。

2. 褒め方がオーバーでわざとらしさを感じるから

褒め方が大げさすぎると、逆に不信感を抱いてしまいます。「天才!」「神!」といった過剰で大げさすぎる表現は、現実的でないほどの賞賛になってしまい、受け手はその言葉の真意を疑うのです。

このような過度な褒め方をされると、まるであなたに対して精神的な圧を与えたり、追い詰めてくるように感じて窮屈になります。ハイテンションで褒められると、「何か裏があるのでは」「何かお返しを期待しているのでは」と警戒してしまうのも無理はありません。

オーバーな褒め方は、相手の承認欲求の強さや、他人を依存させ操作しようとする欲求の表れかもしれません。だからこそ、わざとらしさを感じて気持ち悪いと思ってしまうのです。

3. 褒めた後に必ず頼みごとがセットでついてくるから

褒めた後に必ず何か頼みごとをしてくるパターンも、不快感につながります。頻度が多すぎると、相手の意図や下心を疑ってしまうのです。例えば、会話のたびに外見や服装を褒めた後に、「実はお願いがあるんだけど」と切り出されると、褒め言葉が手段でしかなかったと分かりますよね。

このような褒め方をする人は、相手を動かすために褒めているだけです。純粋な好意ではなく、自分の利益のために褒めているという意図が見え隠れすると、気持ち悪さを感じるのは当然でしょう。

褒められても素直に喜べないのは、その裏に何か企みがあるのではないかと考えてしまうからです。意図が見えないことが、気持ち悪さの一因となっています。

4. 上から目線で評価されている感じがするから

褒めるという行為自体が、相手を評価する立場に立つことを意味します。上から目線な態度が目立つ人に褒められると、まるで自分が査定されているような気分になるのです。

似たような属性や立場なのに極端に持ち上げてくる人や、褒めるべきではない事柄でも褒める人は、距離感がおかしく感じられます。例えば、同僚なのに「さすがですね!」「素晴らしいですね!」と上司のような口調で褒められると、違和感しかありません。

アドラー心理学でも、褒めることは相手を下に見ている証拠だと指摘されています。褒める側が優位に立ち、褒められる側が従属的な立場になるという構図が、不快感につながるのかもしれません。

5. タイミングがズレていて会話がかみ合わないから

状況にそぐわない褒め方は、空気が読めていない印象を与えます。例えば、深刻な話の途中で容姿を褒められたり、仕事の相談をしているときに全く関係ないことを褒められたりすると、会話がかみ合わず不快に感じるものです。

タイミングがズレた褒め言葉は、相手が本当にこちらの話を聞いているのか疑問に思わせます。褒めることばかりに意識が向いていて、会話の文脈を理解していないのではないかと感じてしまうのです。

このようなタイミングのズレは、コミュニケーションスキルの不足を示していますが、受け取る側としては「この人は自分のことを本当に見ていない」と感じ、距離を置きたくなるのです。

不快に感じる褒め方の特徴:

  • 具体性がなく、社交辞令にしか聞こえない
  • 過剰で大げさすぎる表現
  • 褒めた後に頼みごとがついてくる
  • 上から目線で評価されている感じ
  • タイミングがズレている

気持ち悪さを感じたときの距離の取り方

やたら褒める人に不快感を覚えたら、適切な距離を取ることが大切です。自分が快適と感じる距離を明確にし、その範囲内でのみ対話を行うことが重要なのです。ここでは、具体的な距離の取り方について解説していきます。

1. 「ありがとうございます」とだけ返して深入りしない

褒められたときは、シンプルに「ありがとうございます」とだけ返して会話を終わらせるのが効果的です。相手の褒め言葉が過度である場合や不快に感じる場合には、婉曲にそれを伝えることも重要です。

深入りせずに受け流すことで、相手に「これ以上は踏み込まないでほしい」というメッセージを伝えられます。無理に話を広げたり、褒め返したりする必要はありません。

淡々と対応することで、相手も「この人にはあまり通じないな」と感じ取り、徐々に褒める頻度が減っていくかもしれません。感情を込めすぎず、事務的に返すくらいがちょうど良いのです。

2. 話題を変えて褒め言葉を流すテクニックを使う

不快に感じたら、話題を変えたり、自分の意見を返すことで距離感を保つことが重要です。単に受け流すだけでなく、「自分はこう感じています」と適度に自己開示することで、相手に境界線を伝えることもできます。

「ありがとうございます、でも〜」や「その点は嬉しいですが、ここは違うかもしれません」といった表現を活用すると、柔らかくも明確に線引きができます。褒められた後に、すぐ別の話題に切り替えるのも有効な方法です。

例えば、「ありがとうございます。ところで、先日の件はどうなりましたか」と、自然に話題を変えてしまえば良いのです。相手も話の流れに乗らざるを得なくなり、褒め言葉を続けにくくなります。

3. 物理的に距離を置いて二人きりの状況を避ける

気持ち悪さを感じる相手とは、物理的に距離を置くことも大切です。二人きりになる状況を避け、できるだけ複数人がいる場所で会うようにしましょう。

心理的距離を取りすぎると感じるストレスが大きい場合、距離を置くことが有効です。相手のアピールに心が疲れると、日常生活のパフォーマンスにも影響が出てしまいます。

職場などで完全に避けられない場合は、必要最低限の会話に留め、プライベートな話題には触れないようにするのも一つの方法です。適切な距離感を保つためには、自分のバウンダリー(境界)を設定することが重要なのです。

4. 冷静に「どういう意図ですか?」と聞き返してみる

あまりにも過剰な褒め言葉が続く場合は、冷静に「どういう意図ですか?」と聞き返してみるのも一つの手です。やたらと褒める人の意図が不明確だと、不信感を抱きやすくなります。

直接聞くことで、相手が本当に好意で言っているのか、何か別の目的があるのかを確認できます。もし相手が純粋な好意で褒めていたなら、その理由を具体的に説明してくれるはずです。

逆に、下心や意図があった場合は、質問されることで動揺したり、言葉に詰まったりする可能性があります。自分の感情を率直に伝えることで、相手に適切なメッセージを伝えることができるのです。

5. 褒められても信用せず行動で判断する姿勢を貫く

褒め言葉だけで相手を判断せず、行動を見て信用するかどうかを決める姿勢が大切です。「褒められている=操作されている」と捉えるのではなく、「自分の良い点を見つけてもらえた」と前向きに解釈する方法もあります。

ただし、過剰に警戒する必要もありませんが、言葉だけでなく行動が伴っているかをチェックすることは重要です。褒めるだけで実際には何もしてくれない人よりも、褒めなくても困ったときに助けてくれる人の方が信頼できますよね。

相手の褒め方が不自然でも「それだけ注目されている」と考えることで、精神的負担を減らすこともできます。この視点の切り替えは、会話全体の雰囲気を良くする効果もあるのです。

効果的な距離の取り方:

  • 「ありがとうございます」とだけ返して深入りしない
  • 話題を変えて褒め言葉を流す
  • 物理的に距離を置いて二人きりを避ける
  • 冷静に「どういう意図ですか?」と聞き返す
  • 褒め言葉ではなく行動で判断する

まとめ

やたら褒める人には、承認欲求やコントロール欲といったさまざまな心理が隠れています。気持ち悪さを感じたら、無理に付き合う必要はありません。適切な距離を取りながら、自分の心地よい関係性を築いていくことが大切です。褒め言葉に振り回されず、相手の行動を見て判断する姿勢を持つことで、より健全な人間関係を保てるのではないでしょうか。

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